スキーと聞くと、スキー場のゲレンデで滑る『アルペンスキー』を思い浮かべる方も多いかと思います。
ここでは、これからクロスカントリースキーをはじめたいという方にもイメージしやすいように、道具にスポットライトを当て、アルペンスキーと比較してクロスカントリースキーを説明します。
1.ブーツとビンディングの違い
『アルペンスキー』は、現代では斜面を滑り降りる事に特化するために、プラスティック製のやや硬めのスキーブーツと、踵(かかと)を固定するビンディングで、スキー板と足がほぼ完全に一体化されています。アルペンスキーは、ある程度のスピードの中で運動する場合が多く、進行方向から、スキーヤー自身の筋力だけでは耐え切れない力がかかるからです。
これに対し『クロスカントリースキー』は、普段の『歩く』、『走る』といった動きに、とても近い運動をすることから、柔らかいブーツをつま先だけビンディングで固定し、踵はスキーから自由に離れる構造になっています。
様々な地形を移動しやすくするためには、足首まわりを固定するよりも、動かしやすくするとともに、一歩一歩のストロークを長く取ることが大事だからです。
アイテム名 | 比較 | クロスカントリー | アルペン |
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ブーツ | 重さ | 500g前後(1/2ペア) | 1,000g前後(1/2ペア) |
特徴 | 足首は比較的自由に曲がる | 足首はほぼ固定 | |
ビンディング | 重さ | 100~200g前後(1/2ペア) | 500~1,500g前後(1/2ペア) |
特徴 | かかとがスキーから離れる | かかとがスキーに固定されている |

2.スキーの違い
アルペン用のスキーは、スキーヤーがターン運動を効率よく行えるように作られています。このため、ある程度幅が広いのが特徴で、その上、滑走中に大きな力を受けた中で性能を発揮できるよう、メタルなど、様々な素材の強化材が使われている場合が多く、その分、相応に重い構造物となっています。
これに対しクロスカントリー用のスキーは、スキーヤーが前に進む運動を効率よく行えるように作られています。さらに、ある程度の時間、運動し続ける事を考え、疲労を軽減するために、スキー自体の幅が狭く、軽いのも特徴です。
スキーヤーのキック運動を推進力に変え、滑走性を最大限に引き出す事が考えられているのです。
アイテム名 | 比較 | クロスカントリー | アルペン |
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スキー | 重さ | 500g前後(1/2ペア) | 1,000~2,000g前後(1/2ペア) |
特徴 | 幅が狭く、とても軽い | 幅が広く、とても丈夫 |

3.ポールの違い
アルペンスキーの場合のポールは、滑走中にバランスを取りやすくしたり、ターン運動のきっかけを掴みやすくしたりするのが主な役割で、どちらかというと、運動のための補助的な意味合いで使われます。バスケットもシャフトも真円に近い形状で、長さは立った時の肘のあたりが目安です。最近では伸縮タイプのポールも多く見られるようになりました。
これに対しクロスカントリースキーの場合は、腕⇒ポールの役割は、脚⇒スキーと同じくらい、前に進む力を得るために重要な役割を担います。
アルペンスキーに比べて、かなり長いものを使用するのが特徴で、太さ、形状ともに様々な工夫が凝らされているもの多く、メーカーやモデルによって異なります。長さは立った時の脇のあたりが目安で、伸縮タイプのポールはありません。
アイテム名 | 比較 | クロスカントリー | アルペン |
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ポール | 長さ | 身長-(20~30cm) | 110cm~130cm |
特徴 | リングもシャフトも形状がまちまち | リングもシャフトも真円に近い |
