クロスカントリースキーには歩くスキー(フィットネススキー)、クラシカル、フリー(スケーティング)、などの種類があります。ここでは、「はじめてみようかな?」といった、クロスカントリースキーに興味をお持ちの方のために、それぞれの特徴や、購入時の目安などを説明します。
クラシカル走法
特徴
クラシカル走法はコース全般につけられた2本の溝の中を滑ります。スキーを交互にキックして進むため、板には滑るためのワックス(グライダーワックス)とキックする際に必要な滑り止めワックス(グリップワックス)を両方に塗ります。
※歩くスキー(フィットネススキー)はクラシカル走法の技術を用い、板の中心にはグリップワックスの代わりにウロコ状の滑り止めがついています。その為、誰でも簡単にクラシカル走法をすることができます。
テクニック
クラシカル走法には大きく分けて3つの滑り方があります。※他に開脚登行走などもあります。
● 推進滑走(ダブルポーリング走法)
左右のポールを同時に突き、後方に強く押して滑ります。平坦地や傾斜面、下り等で使用し、クラシカル走法の中では最もギアが重く、スピードが出るテクニックです。
● 一歩滑走(ワンキックダブルポーリング走法)
1蹴り1押しが基本で推進滑走から交互滑走に移行する中間等で使用します。正しいリズムをつかむと平坦地や緩やかな坂等でスピードの出るテクニックです。
● 交互滑走(ダイアゴナル走法)
スタート時の加速時や急登で使用するテクニック。最もギアは軽く、動作は客観的には走っているように見えるかもしれません。クラシカル走法の中で最初に習得すべきテクニックです。歩くスキー(フィットネススキー)でも最も多用することの多いテクニックです。
スケーティング走法
特徴
クロスカントリースキーの中では最もスピードの出る走法。クラシカル走法より短い板、長いストックを使用します。また、グリップワックスは使用しません。滑りを上からみると板、足をV字に左右へスライドしながら滑ることから北欧ではV1スケーティングやV2スケーティングなどといわれるテクニックがあります。
市民大会ではフリー競技で多くの方が行う走法です。
テクニック
スケーティング走法は大きく分けて3種類の滑り方があります。※他にもコーナリングテクニックなどあります。
● スーパースケーティング(V2スケーティング走法)
最もギアが重く、スピードの出るテクニック。上級者になると急登でもかなりのスピードで滑ることができます。1キック、1ダブルポールを同時に、また左右交互連続して板を滑らしていきます。
● ラピッドスケーティング(V2オルタネイトスケーティング走法)
スピードが出ている平坦地や下りなどで使用することが多い。動作はスーパースケーティングに類似しており、2キック、1ダブルポールとリズムが異なる。
● クイックスケーティング(V1スケーティング走法)
スタート時や急登で使用する、最もギアが軽く、素早い動きのできるテクニック。日本では略して「右クイック」、「左クイック」などと呼ぶことがある。斜面の傾きやコーナーによって使い分ける。動作は①と②とは明確に違うので、特に「クイックスケーティング」と「ラピッドスケーティング」を混同しないように注意が必要。
用具選択のポイント
クラシカル走法
スキーの長さ | 身長+25cm~30cm程度 ※体重によって異なる |
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ポールの長さ | 身長×0.83以下(FISレースでは長さの上限があるので注意する。) |
歩くスキー(フィットネススキー)
スキーの長さ | 身長+20cm程度 |
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ポールの長さ | 身長-25cm~-35cm程度(上級者ほど長いポールを使用します。) |
スケーティング走法
スキーの長さ | 身長+15~20cm程度 ※体重によって異なる。 |
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ポールの長さ | 身長×0.91程度(長さに制限はなく、クラシカルのポール+10cmを目安と考えてもよい。) |
ブーツについて
クラシカルブーツはグリップワックスを効かせやすくする為、足首の固定がなくソールもやわらかく作られています。それに対し、スケーティングブーツは、スキー全体に力を加える為、足首がしっかり固定されていて、ソールも硬く作られています。
ブーツはそれぞれのメーカーによって素材や大きさが異なるので、実際に試着してご自身の足の形に合うブーツを見つけることをお勧めします。近年、トップモデルほどカーボン素材を多く使用しており、非常に軽く、雪面によりダイレクトに力を伝えられる仕様になっておりますが、足の形が合わないと靴擦れ等とても痛いので注意が必要です。
目的に合わせて当社スタッフがお勧めのブーツを提案いたしますので、お気軽にお問い合わせください。
※ブーツとビンディングにはSNSとNNNがありますので、互換性に注意する。